2018.06.10 14:10宇宙人がいるのかいないのか問題サイエンスの話をしているというのに、なに非科学的なものを取り上げて と思うかもしれないさて、宇宙人はいるのでしょうか??正直この場でその質問に答えられるほど全知全能の持ち主ではないのですが、この疑問にも正しく向き合う必要がありますさて、宇宙生物学という学問があるのはご存知でしょうか?これは、宇宙という空間になにが起こると生命が誕生するか?ということを研究する学問ですそもそも宇宙にある地球という星になぜ生命が誕生したのかを研究すること、また、地球以外の場所に生命は誕生するのかということを研究している学問です私はその専門家ではないのでその中身を掘り下げることはしませんが、大変興味深い分野ですよね例えばこの地球上にどのようにして生命ができたか微生物や菌なのど...
2018.05.27 15:26気圧が高いとか低いとかってどんな意味があるのか? 前回、水が沸騰する温度が気圧によって変わるお話をしました気圧というとなんとなくわかったような気がしていますが、どういうことなのでしょうか?その前に、水圧の方がイメージしやすいのではないでしょうか水に深く潜れば水圧を受けるのは実感できると思いますこのときに受ける力が何かと言えば、潜った自分の頭の上にある水の重さがまさに水圧です深く潜れば潜るほど頭の上の水はどんどん多くなるので、受ける力は大きくなります1メートル×1メートル×1メートルの四角の中に入る水の重さは1tなので凄まじい圧です他方気圧はといえば、同じ理論からすれば自分より上にある空気の重さなのですが、これは空気の中で生活している人間にとっては非常にわかりにくいところがこれは水中に住んでいる魚には...
2018.05.23 16:44水が沸騰するのは何度か?(2)前回水の沸騰が、水の内部から蒸発することだと書きました今回はもう少し掘り下げたいと思います水が100度で沸騰することはもういうまでもないと思いますが、これの本当の意味はどういうことでしょうか?実は水の沸騰について正確にはこのように書かれています"1気圧で純水は100度で沸騰する"1気圧とは気圧の単位で、およそ地表付近の気圧のことですこれを逆に捉えると、1気圧でなければ100度で沸騰しない純水でなければ100度で沸騰しない ということになってしまいます本当でしょうか1気圧は天気予報のような言い方をすると1013hPa (ヘクトパスカル) ということは低気圧がきたとき、高気圧がきたときやかんの水は何度なのでしょう?純水じゃないとき、例えば塩水は何...
2018.05.19 14:13水が沸騰するのは何度か?(1)水が沸騰する温度は何度か?と聞かれたら、間違いなく100℃と答えるでしょうしそれは正解ですたしかに私たちが使っている温度の単位 ”℃” の起源は、水が凍る温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃としたのがはじまりですので当然ですねなお現在の正しい定義では違う方法で測定されていますところで沸騰するとはどんな状態でしょうか?蒸発することですか?一見正しい気がしますがどうでしょうお風呂の蓋をあけるとふわっと湯気がたちますこれは水が蒸発したからなわけですが、お風呂は100℃もありません外に干した洗濯物が乾くのも水が蒸発したからですが、洗濯物も100℃になっていません沸騰と蒸発は実際は別物なのですなにが違うのでしょうか??それは、ブクブクと泡が出てきたかどうか沸騰...
2018.05.17 13:26宇宙服はなんのために着るかさて、前回気圧と水が沸騰する温度の関係について説明しましたそれは空気という重い蓋がのっているから100度になるまでわかず、気圧の低い山の上に行けば、より低温で沸くということでしたそんな中今日のトピックは宇宙服こんなものが今までの話とどんな関係がということですが、これには実は深い関係がありますなぜ宇宙に行くためには宇宙服を着ないといけないのでしょうかその目的を考えたことありますか?空気が必要なだけなら水に潜るときと同じ格好でいいはずですここには前回の気圧の話が聞いてくるわけです地球上に人間がいるときには、1m四方の四角の上に10t近くの空気の圧力を受けていると書きましたこのせいで水は100度になるまで沸騰しなかったわけですが、空気がない宇宙ではこの圧力が...
2018.05.07 17:21気づかないうちに単位に騙されている? (2)今回は "パーセント" にまつわるお話です100%とは満タンという意味なので、満タンを1とすれば、80%が0.8になりますつまり、100円の商品Aがあって、80円の商品Bがあったときに、・BはAの80%です・BはA比0.8倍・BはAの4/5・BはAの20%offなどたくさん言い回しがあり、その聞こえ方も変わってくるわけです逆に、100円の商品Aがあって、110円の商品Cがあったときに、・CはAの110%です・CはA比1.1倍・CはAの10%増などとなるわけです110%と言われるとすごく多いように聞こえますし、1.1倍と言われるとなんとなく小さそうに聞こえますさらに小さいものにも言い方がありますppmなんて単位はみたことあるでしょうか?Parts per...
2018.05.05 15:31気づかないうちに単位に騙されている? (1)身の回りの宣伝や広告には、それがどの程度素晴らしいものであるかを語るために、多くの数字を使います宣伝する側からすると、ここにもいろいろなトリックが隠されていますとりわけ単位!単位を考えることは科学の基礎の基礎なのですが、ここが曖昧だと怪しい宣伝文句に騙されてしまいますまず、単位には掛け算が省略されているということは知っていますでしょうか?例えば、1,000mは1mが1,000個集まった長さであることは言うまでもありませんが、それは “1,000 × m” つまり1,000かけるメートルということですだからなんだと思われるかもしれませんが1,000mは1kmということもご存知かと思いますこれも “1 × k × m” という意味なのですどういうことかとい...
2018.05.03 14:14ドレッシングにするかマヨネーズにするか水と油が混ざらない例にドレッシングを挙げました水の仲間である酢と、油が混ざらないのでいつも食べる直前によく混ぜなくてはいけませんところが同じ酢と油からなるマヨネーズはいちいち混ぜたりしませんこの2つの違いはなんでしょうか??材料を考えてみるとマヨネーズには卵、とりわけ卵黄が入っていますこれが重要な役割を果たしているのです混ざらないはずの酢と油ここに卵黄が入ったことで混ざるようになったということですがこれも過去の記事を読まれた方ならお気づきではないでしょうか?卵黄が両親媒性(りょうしんばいせい)物質、つまり油にも水にもよく混ざるものなのですそして酢と油の仲介をして混ぜていたのです油汚れを水になじませた石けんとちょうど同じ、界面活性剤の役割を果たしています...
2018.05.01 05:00辛味がなぜあとからくるのか"あとから辛い" これはよく聞くセリフですが、なんで辛さがあとからくるのでしょう??"ツラさ" ではなくて "カラさ" ですよ実はこれも水と油の話がわかると理解できてしまうのです
2018.04.30 13:51石けんって何ものなのか前回の続きで、もう少し油汚れの落とし方について書いていこうと思います油汚れを落とすということは、油と水の混ざらないものを混ぜて洗い流すことだというのが前回のお話でした石けんの成分を見てみましょうそこには "脂肪酸ナトリウム" とか "アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム" とか "ラウリル硫酸ナトリウム" とか書いてあると思いますこれらが油汚れを直接落としてくれるものの正体です硫酸とか名前に出てくると、そもそも安全なの??の議論が出てきますし、これまた奥が深い話なので、別の回でご説明するとしてこの主成分の詳細についてご説明します(ココがわかると安全の話もわかってきます)例えば、"脂肪酸ナトリウム" というのを翻訳すると、"脂肪" からできた "酸" が...
2018.04.29 03:25石けんを使うと落ちる汚れ水と油を混ぜたことはありますか??混ざりませんドレッシングですね水とアルコールを混ぜたことはありますか??混ざりますお酒ですねではアルコールと油は??砂糖は水に溶けますね、じゃあ油には??世の中には水と仲のいいものと油と仲にいいものがいて、水と仲のいいもの同士油と仲のいいもの同士はそれぞれよく混ざりますこれを科学語では “親水性(しんすいせい)” “親油性(しんゆせい)” とか言います正確にいうと、これは世の中を二分するようなものではなくて水によく混ざるものから油によくまざるものまでグラデーションがあってその中間ぐらいのものを “両親媒性 (りょうしんばいせい)” と呼びますだから油汚れはいくら水で洗っても落ちることはありませんでは油汚れを...